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Re ライフ INTERVIEW

Reライフ 子どもてらす運動 想いのしずくワンコイン500円プロジェクト(以下、プロジェクト)が動き出して6か月。プロジェクトに賛同し、真っ先に名乗りを上げてくださいましたのが、株式会社アーバンフューネスコーポレーション 代表取締役社長兼CEO 中川貴之氏です。

寄付先となるNPO法人キッズドア 渡辺理事長が中川社長にその想いを伺いました。

株式会社アーバンフューネスコーポレーション
代表取締役社長兼
CEO 中川貴之氏

●日本の子どもの貧困問題

今日はお忙しい中お時間を頂きましてありがとうございます。また、プロジェクトにご賛同いただき、協賛いただきまして重ねてお礼を申し上げます。

NPO法人キッズドアは、2007年に立ち上げ、ちょうど10年。どんな環境の子どもたちでも、将来に夢や希望が持てる社会を実現したいという想いから、子どもの学習支援と居場所づくりを中心に活動を行っていますが、企業や社会の方々に、日本の子どもの貧困に関心を持っていただくのが難しいと日々感じています。

最初に、中川社長がこのプロジェクトの取り組みに対しどう感じ、協賛してくださったのか伺わせてください。

渡辺

中川

私自身は、以前から日本の子どもの貧困問題に関心がありました。経営者として、新卒を多く採用していますが、教育を受けている人と受けていない人とでは、明らかに差が出てしまう局面があるんですね。学業だけでなく、家庭環境によって、性格・性質がかなり影響している。特にマイナス面が出るときに、顕著に気が付く場面があるんです。ですから、貧困家庭の子どもたちの学習支援と居場所づくりはとても大切だと思っていたんです。でも、具体的に自分がどう動くか、何ができるかというイメージは持てなかった。そんなところに、このプロジェクトのお話を伺いました。

渡辺

日本の特徴と言えると思いますが、日本は欧米諸国に比べ、子育てにお金がかかる上に、国の補助が少ない。今でこそ、全世代型社会保障というようになりましたが、それでも、現状は高齢者に社会保障費が多く使われていて、子育て世代にはあまり使われていません。

また、もう一つ教育費が非常に高い。ヨーロッパ諸国では、教育は、国が子どもたちに与えるものと考え、全部無料というところも多い中で、日本は家庭の負担が大きい。

子どもをちゃんと育てて教育しようと思うと、とてもお金がかかってしまうんです。

以前に京都府が行った調査で、ひとり親家庭の所得(母子家庭・父子家庭)は、平均で203万円位。それに手当を足してやっと250万円。でも、これはとてもいいほうで、一番多いボリュームゾーンは、100万円から150万円くらいでした。

国民基礎調査で見ると、児童のいる世帯の平均所得が、707万円位。この差は、すごく大きいですよね。

中川

もちろん努力する、しないとか、自己責任みたいなことはあると思いますが、望んで貧しくなったり、ひとり親になったわけではなくて、理由があって仕方なくなっている場合もあります。また、理由はともかく、子どもには問題がない

●みんなで考えて参加できるプロジェクト

渡辺

日本の子どもの貧困問題は、誰か一人が頑張れば片付くものでもないですし、国だけでもどうしようもない部分もあります。

このプロジェクトのすごくいいところは、企業や地域の方々が参画しやすい仕組みになっているというところです。みんなで考えて、みんなで少しずつ参加できるという点がいいと思っています。

中川

以前からCSRとは言われていましたが、今は、企業が社会とどう共存していくかという、事業活動そのものが社会貢献につながっていくことが求められる時代になってきています。

弊社はお葬式の仕事を中心に行っていますが、それが社会貢献にどうつながるのかと考えると、社会のコミュニティ作りや人とのつながり。生きることへのメッセージ性を伝えること。高齢化、老老介護の時代背景の中で、見送る人たちも高齢化してくるとき、不安ごとを解消するお手伝いをする等、社会貢献につながるとは思っていますし、実際取り組んでいます。でもそれだけではなく、一歩踏み出た社会貢献となるとなかなかできない。

このプロジェクトの、1施行につき、500円の寄付という仕組みは、シンプルで動きやすく参画しやすかったですね。

渡辺

本当にありがたいと思っています。

私たちは日々、大変な思いをしているお母さんとか、子どもを見ているので、現状を把握していますが、いろいろな企業の代表の方にお話しをするとほとんどの方が知らないんですね。皆さんご自分の環境を基準に考えるので、「いやいや日本にご飯を食べられない子はいないでしょう」「参考書1冊買えない子はいないでしょう」とおっしゃるんです。

でも、現実は7人に1人の子どもが相対的貧困にあり、それが教育の格差と貧困の連鎖を生んでいます。子どもの持っている悲しさは、自分たちは困っているんだけど、社会の中から支えられていないという、見捨てられ感みたいなものがあることなんですね。

たとえば、小さいころからご飯も満足に食べられないなど苦労をしているから、本当は野球やサッカーをしたいけど、お金がかかりすぎるからできないだとか、勉強がわからないから塾に行きたいけど、お金がないから我慢するとか。夏休みにクラスのみんなは旅行に行くけど、うちはいけないとか。ずっと寂しさや辛さを抱えているんです。

今、国もそういう子どもたちを大事にしていこうと、子どもの未来応援国民運動が始まり、学習会で勉強を教えてくれる、ご飯が出る子ども食堂も広がってきてはいますが、まだまだ足りない。

自分たちの事を見てくれている人がいるんだと知ることは、子どもにも親にも心強いことです。行政だけでなく、民間の方に関心を持って入っていただき、それぞれができることからやっていただけるというのは本当にありがたいことだと思っています。

中川

そうですよね。企業は何のためにやっているかというと、最終的には社会のため。

それは物づくりかもしれないし、サービスかもしれないけど。そういう意味では、企業として、子どもの貧困問題にも目を向けて活動するというのは合致している。

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